2004年度
2004/10/31 チャンピオンシップ第2戦 vs神奈川ゼロックス
ゼロックス海老名G 14:30Kick Off
神奈川ゼロックス4(1−1 3−0)1コスタリカ

【先発】
カントク久保田
GK馬場 DF坂本 長山 小菅 鳥海 MF肉倉 水野 八木 レビン FW前原 小野
【サブ】
伊藤 平野 田村 浅野
【得点】
OWN GOAL

 神奈川ゼロックスがコスタリカの左サイドを崩し、放たれたシュートがGK馬場の手をかすめサイドネットを揺らす歓喜の同点ゴールが生まれたとき、勝負の女神は神奈川に対して微笑みかけていたのかも知れない・・。

 2004年9月25日のホームゲームで2-2で勝ちきれず、アウェーゴール2倍のレギュレーションより0-0,1-1の引き分けでは優勝トロフィーを持ち帰れないことから勝利以外は許されない状況でコスタリカは雨天順延されて10月31日にゼロックス海老名グラウンドで開催されたXSSL Champion Ship神奈川ゼロックスとの第二戦に挑んだ。上記の状況を当日の審判以外は十二分に把握していたことから予想通り神奈川ゼロックス(以下KX)は当然デフェンシブな戦いを念頭においていたと思われる。

 例え草サッカーといえ引き分けでも十分な場合、監督からのよほど明確な攻撃の指示が出ない時を除き、引く気がなくても”なんとなく”引き気味になってしまうのがサッカーの面白いところである。事実、第一戦と比較して最終ラインを低い位置に設定され、コスタリカFW小野に満足なスペースが与えられず、またボールの供給源であるレビンに対しての徹底マークから効果的なボールが供給されずコスタリカとしては手探りのスタートを余儀なくされてしまった。しかもKXには両サイドを効果的に使ったカウンターがあり、勝たねばならないコスタリカのゴールが度々脅かされることになる。上記にある大宮での第一戦にたとえ2-1でゲームプランどおり勝利していたならば、KXのボール供給源である新堀(11)に対してコスタリカのホンダヤストこと水野をマンマークで付け、徹底的に0-0で推移させ逆に攻め掛かって来て出来た後ろのスペースにレビンから自由にボールを供給させ小野のスピードで得点を重ねて行けたのに・・ゆえに第一戦での同点ゴールは非常に大きな意味合いを持っていた。

 また最近のコスタリカの得点パターンは記するまでも無く、祐治・ノブ・坂本らが奪ったボールをあるいは水野が体を張りその豊富な運動量で奪ったボールを八木からレビンを経て、あるいはレビンがサイドに流れて小野へラスト・パス、あるいは一度小野がボールを預かりサイドに流れてアーリークロス、中に二列以降が飛び込む・・

 すなわち最後の局面で必ず小野・レビンが絡み、事実直近の10試合の総得点30の内訳は二人で26得点23アシスト・・底からのビルドアップ、中盤での繋ぎは全員で・・最後の仕上げは二人に任せた!の試合振りがあまりに顕著であった。

 その小野がディフェンシブな戦いをされたがゆえにスペースを消され(事実小野のボールタッチは数えるほどであった。)レビンが密着マークに合う、KXは時計の針を確実に進める完璧なゲームプランを遂行させるばかりか、やはりカウンターから警戒していた新堀(11)が中央を小さなステップで破り先制点を奪うおまけまで付けられてしまった。こうなるとコスタリカとしては最低後2点が必要となってくる。最低前半に同点に追いつきたい。より引き気味の相手を崩すにはミドルシュートとセットプレー、小刻みなパス交換からのサイド突破がセオリーである。しかしながらパス交換が売り物のレビン・小野のコンビであるがいかんせんレビンはクラブユース出身、小野は北海道の大学でともに芝生及び同等の良質なグラウンドでの試合に恵まれていたせいか、最悪なグラウンドコンデションの元に開催された第二戦ではともに真価は”まったく”発揮出来なかった。

 そんな中ではあったが最悪な展開が続く中で唯一光が射した。コスタリカの放ったミドルをKXのGKがフェイスティングで後ろにそらし、得たCKを結果的にオウンゴールで追いつくツキをまだコスタリカは持っていた。前半終わって1-1の展開、先取点を奪えればゲームプランどおりに事は運んだのだが・・満足感はないが後半に出直しを考えるにまあまあの結果であったと自身を慰めるしかなかった。

 カウンターを注意しセットプレーから得点を奪えれば・・淡い期待は後半早々に無残に打ち砕かれた。八木のスルーパスに反応したレビンがKX・DFの裏で受けオフサイドの笛が鳴ったに関わらずシュート、結果的にイエローカードをもらうことになる。これがこの試合始めてのイエローであったが前半度々KXの密着マークに苦しみ特に完全に抜けた後、後ろからのタックルで二度ほど転倒させられながらもKXにイエローが出なかった事を鑑みるにレビンのイライラを物語るシーンであったとも言えるが、イエローの基準及び時間稼ぎをすると損をするのはコスタリカであることを考慮しイエローカードに対して再考して欲しかったのも事実である。(無論杓子定規に考えればイエローは正解である。)

 ともあれイエローはイエローである。終わったことは引きずらないことは勝負の鉄則であるがレビンはまだ若かった・・クリアボールが上がってレビンをマークしていたDFが落下地点に入った時レビンはボールに絡む意志がないままにKX・DFに対して完全なチャージに行き、最悪の2枚目のイエロー、すなわちレッドをもらうことになる。1-1で推移していた試合の展開を替え、勝利に導くためにはレビンのプレースキック、ラストパスは生命線である。それを一挙に奪われた。ディフェンシブハーフの八木を上げ気味に、FWの平野をやや下げ小野の変則1トップ状態で対処するが破綻が訪れるまで長い時間を必要としなかった。

 点を取らなくては・・の前掛かりの状況を見透かしたようにまたしても新堀(11)が中央突破、たまらずDFが中央に参集したところを見計らったように右の雨宮(10)にラストスルーパス、決して簡単な角度でなかったが雨宮がこれを、当日当たっていたコスタリカGK馬場の手を掠めてサイドネットにポストを掠めるようにして強烈に叩き込む・・シュートライン上で見ていた私も思わずうなってしまうほどの見事なシュートであった。

 2-1とした後はKXの独断場である。せめて同点延長突入を狙うコスタリカをあざ笑うかのようなパス回しから中央でボールをキープ、最後は個人技で3点目4点目を叩き込まれ完全なThe end!見事な試合運びであった。自身のドリブルが大きくなったミスを足を伸ばして取りに行くプレーが、あるいはノブがKXのFWと言い争っただけで両者にイエローと、前後半で試合が荒れるのを恐れた審判の判定基準に迷いが見られた事がすべてコスタリカに災いした感は否めないが、KXの両FW、それを操る1.5列目2列目の動きがKXを優勝に導いたことになんの意義も唱えられないでありましょう。見事でした!(審判の服装には意義を唱えたいが・・)

 当日のグラウンドコンデション、審判の判定全てを含めてこれがサッカーである。コスタリカとしては全てを切り替え(特に若手)既に吹かれている次の試合(12/5)のキックオフに備えたい。

 

小野 5.0 本来の動き出来ず
前原 5.0 ディフェンスの場面以外消えていた
(平野) 5.0 体張るも動きが緩慢
レビン 4.0 不必要なレッドもらう
八木 5.5 効果的な動きも効果的なパス供給出来ず
水野 6.0 攻守に豊富な運動量を活かす
肉倉 5.5 グラウンドコンデションに苦しむ
鳥海 5.5 中央で攻撃に耐えた
坂本 5.5 前半再三崩されかけるも最後に踏ん張る
(田村) 5.0 まだボールが足に付かない場面が見られる
小管 5.0 相手のスピードに突破を許す
(伊藤) 5.5 サイドの攻撃に必死について行く
ノブ 5.5 最後に集中力が切れる
馬場 5.5 再三のファインセーブも4失点は頂けない
カントク
久保田父
4.5 いかなる試合もまず守りからビルドアップすべきである事を忘れる。11番にマンマークを張るべき点を怠った。
浅野 6.0 応援だけですいません、ご苦労さまでした
浅野夫人 6.0 いつも写真担当頂きありがとうございます。

 (久保田 淳)

 

 

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